最新号 新年のご挨拶
新年あけましておめでとうございます
昨年は、激動の1年だったように思います。
3月11日の東日本大震災では診療中の大きな揺れに患者さん、スタッフと共々駐車場に非難した記憶も忘れません。そしてヨーロッパの信用不安、中東の民主化革命、まさに世界は大きな変革を迎えた年でした。
当医院においては開院25周年記念事業、患者さん向けの歯周病とインプラント治療の本をスタッフと共に作成し発刊しました。個人的には全国レベルのインプラントシンポジュームで2回ほど演者として講演を行い忙しい年でもありましたが、多くの目標を達成し充実した年でもありました。
今年も海外講習会への参加や国内におけるインプラント治療の講演会活動などいくつかの行事を予定しておりますが、やはり主軸は患者さんのお口の健康をいかにして長期間維持するかですのでスタッフと共に充分な対応が取れるように計画を立てています。
多くの患者さんは歯周病で歯を失います。その原因や治療法、予防法など内の歯科衛生士がアニメーションや模型などあらゆる手段を使って説明し、患者さんに理解していていただけるよう努力してきました。
一部の患者さんはかなり理解していただき、結果として良好なお口の健康を長期に維持している状況まで改善することが出来ました。この状態まで持ってこられたのは非常に誇れる事なので、担当したスタッフの努力を高く評価しております。
今年はこのように良好な状態を維持できる患者さんをさらに増やせるような対応をスタッフと共に考え実践していきたいと思っていますので、今年も医患共同で明るい年にしていきましょう。
院長 中島 和敏
79号 2冊目の書籍を発刊
歯周病治療とインプラント治療についての本を発刊
2011年8月に開院25周年記念事業として、患者さん向けの歯周病治療とインプラント治療についての本を発刊しました。
5年前に“インプラントで復活!食べる幸せ”を発刊してからその続編となります。今回は新たに歯周病治療を加えこの治療法についての解説を当医院の歯科衛生士に担当してもらい、患者さんにこの病気への理解を深めてもらう一助になればこの項目を加えました。
多くの方は歯周病により歯を失います。また、その治療及び予防は難しいとの認識が歯科医院サイドも患者さんも共通の認識となっていたのではないでしょうか。しかし、この歯周病を克服しない限り、その後の治療は砂上の楼閣のようにいずれは元の木阿弥になり、行った歯科治療が無駄骨になりかねないと、開業当初より懸念しておりました。
さまざまな歯周病の治療に関しては問題が山積していましたが、18年前に歯周病を克服する診療システムを当医院にて確立し、現在まで継続し良好な実績を積み重ねております。この本の歯周病編では実際に歯周病を克服した多くの患者さんの症例をとおして、診査、診断、治療法などを詳細に解説出来たのではないかと自負しております。
インプラント治療についてはこの5年で治療技術及び診療機材もさらに進化してきました。インプラント治療後の予後も多くは良好に経過していますが、少数ながら予後不良でインプラントがダメになってしまった症例もあります。この不良な経過をとるケースがどのような患者さんに生じるのかその傾向も明らかになってきました。
まず、治療技術の進化ですが、インプラントデザインの改良と歯肉移植などの術式が加わり、見た目がより自然の感じになおせるようになりました。また、被せる冠の素材が金属からセラミックへと変化しつつあります。
セラミックの利点は審美性に優れ見た目も自分の歯とほとんど同じように再現でき、体への親和性が良いことです。欠点としては強度的な問題がありましたが、現在は金属と同等のジルコニアというセラミックが改良され審美的にも強度的にも被せる冠の材料として普及してきました。
診療機材としてはCTスキャンの導入で確実な診断が可能となり、正確に骨の形を把握できまた、骨の中にある神経、血管の位置もわかるので神経や血管を手術中に傷つける危険性がほとんどなくなり、より安全で安心の治療が行えるようになりました。また、実体顕微鏡を使用することでより質の高い治療を提供できるようになりました。これらの最新の診療機器はインプラント治療だけでなく、一般の歯科診療にも威力を発揮しています。
インプラント治療の経過が良くないケースの多くは、定期健診に来院されていない患者さんがほとんどです。多くの患者さんは歯周病により歯を失います。その背景、原因としては基本的にプラークコントロール(歯垢の除去管理)がよく出来ず、体質的にも歯周病になりやすい患者さんがその大半を占めます。インプラント治療を開始する前にはこのへんの原因を除去してから行い、治療が終了した時点が一番良い状態となっています。
しかし、この状態をいかに長期に保つかが重要となってきますが、ついつい歯磨きがいい加減になったり、根本的には歯周病になりやすい体質は変わっていないので、歯磨き不足で磨き残しが生じその結果歯垢が徐々に蓄積してきます。この状態を放置すると自分の歯やインプラントの周りが歯周病になり最後にはインプラントもダメになってしまうこともあります。この経過をたどる前に定期健診に来ていただければ、磨き残し部位のチェック指摘と歯垢の除去を行い経過の悪化を防ぐことができるのです。
特にインプラント周囲の歯周病はほとんど自覚症状無く進行するので、定期健診はかかせません。そこで、この定期健診の重要性を理解してもらうためにもかなりの紙面をさいて解説しました。
この本を通して多くの方々にお口の健康を保つための情報を理解していただければと思います。
74号 開業25周年 記念講演
「お口の健康を保つために」
当医院は、今年の6月9日で開業25年を迎えました。そこで、当医院においてインプラント治療後に長年メインテナンスで通院されている方を対象に、去る6月9日に開業25周年の記念講演ならびに祝賀会を桐生プレオパレスにて開催いたしました。
参加者は、インプラント治療後のメインテナンスに通院されている患者さんの他、院長主催のセミナーを受講した歯科医や歯科技工士、歯科材料の業者の方やスタッフの家族を含め120名を超え、盛会のうちに終了いたしました。
当日は、まず記念講演として院長より、「中島歯科開業25年の歩みとインプラント治療について」と題し、約40分間の講演が行われました。開業以来25年間の間に、医療技術・知識を向上させ治療レベルを上げるため、院長が勉強してきたことや参加してきたセミナー等が当時の写真を交えながら紹介されました。
その内容は1986年の開院当初に遡り、当時、義歯や矯正の勉強のため講習会などに参加したことから始まり、その後90年代に入り、インプラント治療の勉強のために様々なセミナーに参加したことや、歯周病治療の講習会に通ったことなどが紹介されました。
この90年代前半に、中島歯科として今後の方向性を決める、また院長自身の歯科治療のスタンスを変えるきっかけとなったのがインプラント治療と歯周病治療でした。それまでは虫歯があれば治し、歯石があれば除去し、と従来のいわゆる対症療法的な方法で取り組んでいた診療に疑問を感じ、早期発見・早期治療・早期指導の必要性、またなぜ歯周病になってしまうのか、その根本となる原因や治療法を患者さんに理解していただき、歯周病を克服するための診療システムを確立するに至り、1993年より臨床に導入しはじめました。また同年よりインプラント治療を開始し、それ以後年2~3回の海外研修を含む様々な講習会・セミナーに参加し、インプラント治療の知識・技術を研鑽し、その成果は18年間に2200本のインプラントの埋入と、10年累積生存率94.8%という実績を積み上げるまでにいたりました。
また2000年代に入りCAD/CAMシステムや歯科用CT、歯科顕微鏡などの最新の高度医療機器を導入することで、より確実な診断、治療を行えるようになったことが紹介され、最後に、長期にお口の健康を維持するには、日頃の管理と定期検診を行うことが重要であることを力説し、記念講演は終了しました。
また、今後も中島歯科医院全体のより一層のスキルアップを目指していくこと、そしてそれを患者さん一人一人のお口の健康を保つために還元できればと考えております。
最後になりましたが、お忙しい中、ご出席していいただきました方々に感謝申し上げます。
副院長 宮内徹
祝賀会
記念講演会後は会場を移し、25周年記念祝賀会が行われました。
皆様のお陰をもちまして、大盛況のうち無事に終えることができ、大変感謝しております。
祝賀会ではピアノの生演奏や華麗なフラダンスを鑑賞しながら、和やかな会食となりました。
また、ビンゴゲームでお気に入りの景品を獲得し喜ばれた方や、残念賞の獲得で残念な思いをされた方などさまざまでしたが、大いに喜んでいただけたのではないかと思います。
そして、今回は出席いただいた患者様の中で、メンテナンスに7~11年と長期に渡り継続して来院し、お口の健康を保たれている方への表彰をさせて頂きました。メンテナンスに欠かさず来院し、継続されているということは、簡単なようで簡単ではなく、サポートさせて頂いている私達にとっても、とてもありがたく嬉しいことです。
25周年を迎え、皆様方から心温まるお言葉をたくさん頂き、スタッフ一同大変嬉しく思っております。良い治療結果を得ることや、お口の健康を保つには信頼関係がとても重要なことを改めて感じました。これからも皆様方に満足して頂ける歯科医療を行えるよう、スタッフ一同尊敬する院長の下、日々励んで参りたいと思います。これからもどうぞよろしくお願いいたします。
64号 ITIワールドシンポジュームに参加して
ITIワールドシンポジュームに参加して
今年の4月26日から5月2日までハーバード大学での講習会に参加してまいりました。
今回の講習会は私が所属しているインプラント勉強会CIDとハーバード大学共同の講習会で、日本から15名の講師クラスの先生が参加しそれぞれの得意分野の症例報告を行いました。私は当医院における11年間のインプラント生存率について発表し高い評価を頂く事が出来ました。そして、ハーバード大学の講師陣からは、最新のインプラント治療についての貴重な講義を受けると共に親交を深めてまいりました。
他の行事としては半日ほど、私が使用しているストローマンインプラントの工場がボストン郊外に昨年完成し、その生産工程の見学と、審美領域におけるインプラント治療の講義も、数カ国の歯科医師と共に受けてきました。ボストンはまだ、日本より2~3週遅れての初春の時期で、桜が満開状態でしたが花見が出来る状態でもないので窓越しに少し眺めるくらいでしたが、2年前の秋に訪れた時の風情とはまた一味違ったボストンを体験する事ができました。ゴールデンウィークをまたいでの訪米だったので患者の皆様にはご迷惑をおかけしましたが、その分また良質な治療でお返ししたいと考えて帰国しました。
58号 ハーバード大学
CIDジョイントミーティングに参加して
CIDジョイントミーティングに参加して
今年の4月26日から5月2日までアメリカのハーバード大学での講習会に参加してまいりました。
今回の講習会は私が所属しているインプラント勉強会CIDとハーバード大学共同の講習会で、日本から15名の講師クラスの先生が参加しそれぞれの得意分野の症例報告を行いました。私は当医院における11年間のインプラント生存率について発表し高い評価を頂く事が出来ました。そして、ハーバード大学の講師陣からは、最新のインプラント治療についての貴重な講義を受けると共に親交を深めてまいりました。
他の行事としては半日ほど、私が使用しているストローマンインプラントの工場がボストン郊外に昨年完成し、その生産工程の見学と、審美領域におけるインプラント治療の講義も、数カ国の歯科医師と共に受けてきました。ボストンはまだ、日本より2~3週遅れての初春の時期で、桜が満開状態でしたが花見が出来る状態でもないので窓越しに少し眺めるくらいでしたが、2年前の秋に訪れた時の風情とはまた一味違ったボストンを体験する事ができました。ゴールデンウィークをまたいでの訪米だったので患者の皆様にはご迷惑をおかけしましたが、その分また良質な治療でお返ししたいと考えて帰国しました。
帰国してからの数日もあわただしい日々を送り、時差ぼけなどといっている暇が無いくらいの状況でした。というのも当医院も東毛地区で初めて歯科用CTスキャンを設置することになったので改築工事の真っ最中に帰国したので大忙しのゴールデンウィークでした。

54号 05年ITIワールドシンポジューム
ITIワールドシンポジュームに参加して
今年の6月18日-20日までドイツのミュウヘンで開催されたITIシンポジュウム(インプラント治療の国際的学会)に参加してまいりました。この学会には世界中から3000人以上の歯科医師や研究者たちが参加し盛大な会でした。
インプラント治療の発展は目覚しいものがあり、このことは機会のあるたびにお話してきたと思います。その中で今回のシンポジュウムのトピックとしては治療期間がかなり短縮されたインプラントが開発され欧米では発売された事です(日本では来年は発売予定)。この治療期間の短縮は患者さんをはじめ我々歯科医の多くも望んできた事でした。
10年ほど前まではそのメーカーにもよりますが、インプラントと骨が結合(治癒)するには3-6ヶ月ほどかかり歯が入るまで随分とまたされたものでした。その後私が使用しているストローマンインプラントは6年ほど前に治癒期間が1.5ヶ月-3ヶ月に短縮されました。そして今回3-4週でインプラントと骨が結合し治癒期間がますます短縮され、患者さんにますます多くの恩恵をもたらすものと確信しています。
インプラント治療は歯科治療のなかでもとても有効な治療法でありますが、以前は治療期間が長かったり、コストがかなり高くついたりして普及するのに少し時間が掛かりましたが、このようにインプラント治療がより使い勝手の良い、そして身近な治療法としてますます発展する経過をみていくと、これからの十数年間は加速的に普及するものと思います。
その他のトピックとしてはやはりインプラントの審美的な治療法が挙げられます。今までも歯が1本抜けているような状態でしたらほぼ自分の歯と判らないくらいに調和のとれたインプラント治療が可能でしたが、連続して複数本歯が抜けている場合は、自然の歯並びと比べると歯肉の形や調和がとれにくく、歯と歯の間に隙間などができてしまうなど完璧に審美性を回復するのは難しいものでした。この辺を改良しようと新しい形態のインプラントなどが開発され現在この研究が進行中です。もう少し経つとこの問題も解決されてくると思います。
他にも色々なトピックがありましたがその辺はまた機会があるときにお話したいと思います。
学術的なことではないのですが、この学会ドイツで開催されただけあり昼食の時飲み物としてドイツビールが振舞われました。参加者の2~3割の人が昼からビールを飲んでいる光景は少し奇妙な感じがありましたが、私も午後のシンポジュウムに差し障りの無い程度に美味しく頂きました。丁度その頃国会の会議中に赤ら顔の議員がいて問題になっていたみたいですが、国柄のせいなのでしょうか?
今回シンポジュウムに参加して様々な情報を持ち帰る事が出来たのと、参加ついでにミュウヘンとウィーンの街並みを少し観光する事ができ充実したひと時を過ごす事が出来ました。

52号 ITIワールドシンポジュームに参加して
ITIワールドシンポジュームに参加して
今年の春から秋にかけてハーバード大学歯学部の主催する講習会を受講しました。春と夏2回は日本での講義を受け、10月18日から21日までボストンにあるハーバード大学歯学部で最終講義を受けてきました。ボストンでの講義内容はインプラント治療の最新のトピック、日本からの受講生による症例報告、手術見学などでした。名門ハーバード大学の講義を受けられただけでも有意義な経験でありましたが、私の目標は症例報告でベスト症例賞を獲得することでした。
日本から参加した14名の先生方全員、各自が治療した症例を報告し、誰が一番すばらしい治療を行ったか教授が診査し表彰するというものです。当然優勝をねらって準備してまいりましたが、残念ながら2位という結果でした。
仲間から励ましやねぎらいの言葉をかけてもらいましたがなんとも複雑な気持ちでした。しかし、振り返ってみるとすばらしいボストンの街並みや、ハーバード大学での講義に参加できたことは私にとってやはり貴重な経験であり思い出の一こまでもあり、これを踏み台にもう一歩前進したように思うこの頃となりました。
今回、あまり観光する時間がありませんでしたが、市内観光や、ボストン美術館を見てきました。丁度滞在中にベースボールのシリーズ優勝戦がボストンで開催され、街中はかなり熱気をおびていました。対戦カードはニューヨークヤンキーズ対ボストンレッドソックス戦で我々としては松井の活躍に拍手を送りたいところでしたが、そこは敵地で声援でも送ろうものなら袋叩きにでも会いそうな雰囲気だったので静かにしておりました。結果は皆さんもご存知のとおり85年間のベーブルースの呪縛を破りレッドソックスが優勝しました。街中大騒ぎとなり歴史的瞬間に居合わせたような気がしました。ボストンはアメリカ独立の舞台となった街であり、ヨーロッパのたたずまいを漂わせる伝統的な街並みで落ち着いた雰囲気の都市で、また学問芸術の町でもあります。このような素敵な街で、短期の滞在でありましたが有意義なひと時を過ごしてまいりました。

第一期インプラントセミナーの開催
去年から今年にかけて桐生シルクホールでインプラントセミナーが開催されています。
今日の歯科治療においてインプラント治療は欠かすことの出来ないすばらしい治療法として重要な位置を占め、患者さんの希望も増えると同時に、この治療法を提供する歯科医師も増えてまいりました。しかし、このインプラント治療は、歯科全般の知識と技術を習得したうえで行わないと、良好な結果に結びつかず、さらにインプラント治療の最新で最良の知識や技術の習得が必要になってまいります。
日本でもインプラントに関する講習会もかなり増え、その情報をもとに日常臨床に取り入れている先生方も見受けられるようになりましたが、充分でない感もいまだにあります。このような状況の中、私も日本を始めインプラント先進国で開催される講習会等で多くの知識や技術を習得し患者の皆さんに良質な治療を提供してまいりました。
また、インプラント治療を始めてから10年が経ち、この間おおよそ750本あまりのインプラント治療を行ってきました。これらの貴重な経験を地元である北関東の先生方に教え、指導するのも私の役割のひとつであると最近つくづく思うようになりました。このような中インプラント治療を中心に指導を仰ぎたいという中堅、若手の先生方の申し出もあり、今回このような形でインプラントセミナーを開催することになりました。月に一回の割合で全6回のセミナーを予定しています。
セミナーの準備をするのにかなりの時間と労力を必要とし、何かと忙しい毎日にもかかわらず、このようにまた仕事を増やし自分を追い詰めてしまう性格にほとほとあきれているところですが、何とかこの趣旨をつらぬいて行きたいと思います。
現在このセミナーの受講者は21名の先生方ですが、東京からも2名の先生が参加されみな熱心に受講しております。また、時期をみてその様子など、報告したいと思っております。

38号 歯の健康を保つには
開院15周年を迎えて
当医院は今年の6月9日で15周年を迎えました。そして、先日開院15周年記念の講演会と祝賀会を盛会のうちに終了することが出来ました。つい5年前に10周年をやったばかりなのに、よくやるねといったところでしょうか。しかし、そこはやはりそれなりに熱き思いがあるわけです。
私は今開業して15年、歯科医師になってから20年、丁度析り返し地点にさしかかろうとしているところだと思います。この間患者の皆さんに良質の治療を提供出来る様、多くの講習会に参加したり、勉強会を運営してきました。そして、今ではほぼ患者さんの要望に応えられるような診療体制を整えることが出来ました。特にこの7~8年は自分でもよくやるよと思うくらい、最新歯科治療の最前線に身をおき、多くの事を吸収してまいりました。
5年前の10周年の時は、理想の治療を提供したいと、診療システムを変えてそれが軌道にのってきたときの行事でした。それから5年たった今、一生懸命で治療し良い状態になった患者さんもかなり増えてまいりました。当然これらの患者さんは当院に来られた時はひどい状態で、多くの人は歯周病あるいは虫歯で歯を失い、噛み合わせがうまくいかず食事もよく出来ない状態で来院されました。当然残っている歯もかなりダメージを受けており、残り半分もあと1~2年で抜けてしまうような状混の患者さんが多数でした。
昔ながらの治療方針でいったら、その状況を改善する事は困難であり、ただ入れ歯を入れ、次に抜け落ちた所を修理するぐらいが通常の治療手段でした。しかし、今日の近代歯科医療においては、これらの患者さんの望みをかなえる事が出来るように発展してきました。出来る眼り自分の歯を残したい、また、美味しく何でもバリバリ噛みたいと希望され、その為には時間も費用もお口の健康を保つためにかけても良いと云われる患者さんにとってはすぱらしい出来事といっても過言ではないとおもいます。

開院15周年を迎えて 「診療室を改築し、手術室を新設」
ここでの最大功労賞としては何と云っても歯科インプラント治療法の確立に尽きると思います。もちろん院内だより等で何度も述べているとおり、ただインプラントを植えればいいわけではありません。その時の残った歯の状態が悪けれぱ、その歯を長く残す事は出来ませんし、また、口の中が汚れた状態では、インプラントの周りの歯周病になってしまいます。
当然、歯周病や虫歯の原因である細菌を出来るだけ取り除く事が必要であり、しっかりとしたプラークコントロールをし、必要に応じ歯石を取り除く治療を受け、その上で残った歯に負担がかからず、良い状態が保てるような配慮をした設計が必要になってくるわけです。
こうして、治療が終わり良い状態になるわけですが、この後の定期検診が良い状態を保つには非常に重要となります。ともすると治療後は調子がいいので定期検診のハガキを出しても6~7割の方は来院されません。それでもしっかりと手入れがなされていればいいのですが、やはりプロの目から見ると間題が多いのが現状です。
私が一生懸命治療した患者さんの中にはしばらく来院されずにどうしたのかと気になる患者さんもいるわけで、今年になって3~4年ぷりに来られた患者さんを診察したところ、心配していたとおり、インプラントの周りの骨がごっそり溶けてしまった方がいました。非常に残念で仕方ありませんでした。もう少し早く定期検診を受けてくれたら、打つ手はいくらでもあり、もっと早く良い状態を保てたのにと。私が限られた時間の中で患者さんに説明してきた事が通じなかったのかとの思いも持ちました。そんな事もあって、やはり時間を取って「歯の健康を保つには」というタイトルで講演をしなければと思ったのも15周年記念事業を行おうと決意した理由の一つです。
そういった経緯で6月8日に81名の患者さん、友人、関係者の参加をいただき記念講演と、祝賀会をとり行った次第です。また、これを契機に診療室の改築、手術室の新設を行いました。いままで、診療室には診療台が5台あり効率的で動きやすかったのですが、患者さんの立場から見るとプうイバシーに対する配慮が充分でなかったのではないかと以前から気になっていました。やはり、患者さんの自線を大切にすべきであると思い、診療台を5台から4台に減らしてパテーションで間仕切りを行い、診療台も新規に購入しました。そして、昔からの念願である手術室も新設する事が出来ました。
このところインプラント治療を希望される方が随分と増えており、より良い環境のもとでこれらの処置を行う事が出来るようになりました。今までを振り返えると、多くの事を吸収しようとかなりのハードスジュールでやってきた様に思います。
その結果として多くの患者さんから、中島歯科医院を高く評価して頂いていますが、忙しさのあまり院内の偶々まで目が行き届かなかったり、充分な情報を提供しきれなかったりした事も事実だと反省しておりす。 この15周年をひとつの契機として、これらの事もより一層充実させ自分の理想とする診療によりいっそう励みたいと考えております。
35号 患者さんが病院を選ぶ基準は・・・
患者さんが病院を選ぶ基準は・・・
今まで私は、自医院の診療理念、治療技術、得意とする治療等の情報を、院内だより、ホームページ、地方紙への情報提供等をとおして行ってきたつもりです。しかしながらどこまで患者の皆さんにそれらの情報が伝わったかと振り向けば疑問を持たざるを得ません。
私も一個人の患者として病院を選ぶ時は、随分と苦労してしまいます。なにせ、選択する時の情報がほとんどなく、口コミによる情報が唯一といっていいほどです。
ここ数年、情報公開が叫ばれ、厚生省も医療法を改正し、広告規制の緩和をはかろうとしているようですが、一向に改善される気配がありません。もちろん、我々同業者の中には、規制緩和に反対の意見を持っている人々が多いのも事実ですが。
患者の立場になれば、その医院の治療レベル、得意とする治療、またその治療成績が解れぱ、医院を選択する時に大変参考になります。早くこれらの情報を我々が手に入れられる時代が来る事を熱望しているわけですが、各団体からの圧力があるようで、遅々として進んでいません確かに、広告規制の緩和や情報公開がなされるようになると、医院の選別化がおこり、評価の低い医院はだんだん淘汰されていく事が予想されます。
しかし、多くの患者が自分の健康を守り維持していこうと努力するのは当たり前で、そのために良い病院を選択しようとする事は人間として当然の権利であります。もし、淘汰されそうな医院だったら、より一層努カして良質な医療を提供出来るように努力をすればよいはなしで、またこの事により日本の医療レベルがより上がる事にもなり、とても意義のある事だと思います。
一刻も早く、規制緩和がなされる事を期待しつつ、自分が出未る情報公開を現行法のなかで最大限していこうと考えております。
32号 ITIクリニックを受講して 2
オペでは貴重な体験
火、水、木曜の午前中はライプオペの見学という貴重な体験をしたわけですが、私は水曜日のBragger教授の手術時に助手としてお手伝いさせていただきました。実際の手術の様子はビデオのモニターで見たほうが良く見えるのですが、手術室の雰囲気や、細かなしぐさはやはり助手についているといろいろと気づく事があり、緊張したなかにも充実した時をすごすことが出来ました。そして、オペ後のコーヒープレイクの時Buser先生と記念写真を撮ったのも思い出に残るできごとでした。
早朝の治療計画検討会
毎日出された宿題〔治療計画〕に対しての検討会は朝一番に行われます。それぞれの担当教授により、考え方の違いはあるものの、抜歯する歯、保存する歯、インプラントを植立する位置等、基本的な考え方は我々日本の治療方針と共通するものがあり、少しでも予知性の少ない歯は抜歯してしまう米国との違いを再確認するような内容でした。

ディナーパーティー
水曜の夜はディナーパーティーが開催され、スイスの講師陣、メーカー、そして我々日本からの受講生全員が集って盛大に行われました。だんだん打ち解けてくるうちに、撮影会かと錯覚するようにあちこちで講師を囲んでの記念撮影が行われ、くつろいだ雰囲気の中、いろいろな論議に花が咲き楽しい一時を過ごすことが出きました。英語力のいま一歩及ばない私は、いつもこのような場面にでくわすと引っ込み思案になりがちで、もっと英語力をつけようと張り切って帰って来るのですが、その進展度は亀と競走しているがごとくで、遅々とした歩みにいつも地団太を踏む恩いにかられております。
いよいよ私が症倒報告
木曜日の夕方に私の症例報告の番が回ってまいりました。タイトルは「骨造成と矯正を行ったインプラント治療」で、10分ほど発表しました。コメンテーターはBelser教授がなさり、私の発表にたいしては、治療方針、治療ともしっかりしており、非常に良い症例報告でしたとのコメントをいただきました。また、同僚の先生方からもお褒めの言葉をかけてもらい、ほっと肩の荷をおろすことが出来ました。金曜日はBuser教授、Belser教授の貴重な講義があり、その後5日間の講習会の総括と我々が待ちに待ったITIインプラント認定医の証書の授与式が行われ、ベルンでの講習会は無事終了しました。
目をみはるインインプラント治療の発展
こうした5日間の講習会を通して感じたことは、ここ数年インプラント治療の発展には目をみはるものがあり、予知性の向上、審美性の回復等、ほとんど天然歯と同じように扱っても問題ないところまで到達したこと、場合によっては天然歯以上に優れた点をもつまでになったことであります。これらは先駆者たちのたゆまぬ努力と研究の成果であり、とりわけ、ITIの中心メンバーである今回の講師たちのようなすばらしい先生方の研究および長期にわたる臨床治験の結果をもとに、より良い製品、技術、知識を我々臨床医に提供してくれるシステムの恩恵によるものであり、その中から我々は患者さんにあったベストな治療が行えるわけであります。このように、私自身すぱらしい多くの研究者たちのそろったITIインプラントと出会えた事は幸運であり、こうしたITIのトップメンバーの指導を仰ぎながら、日常臨床でその技術、知識を発揮できることはとても幸せなことと考えております。そして、今回この講習会に参加された先生方と親交を深められたことと同時に、良きライバルとして日本を舞台に切瑳琢磨しながら、患者さんに最高の治療を提供したいと思って帰国の途につきました。
31号 ITIクリニックを受講して
伝統ある美しい街ベルン
さる8月16日[月]から20日[金]まで、スイスの首都ベルンで開催されたITIインプラントの上級者向け講習会を受講してきました。
この講習会は世界各国の第一線でインプラント治療を行う歯科が対象で、今年度より年4回の予定で開かれています。第1回目は4月にイギリス、スイス、中東諸国の歯科医を対象として開かれ、第2回の8月は我々日本の歯科医が対象でした。
日本からは20名が参加し、なかには歯周病の講師として有名な先生もおられて、非常にレベルの高い活発な質疑応答が行われました。私はスイスは初めてなので、伝統的な街並みと自然の豊かさに感動しました。月曜から金曜日までかなりハードなスケジュールだと聞いていたので、日曜日のオプショナルセミナーはキャンセルし、1日だけ観光をしてまいりました。
ベルンは「世界文化遺産」としてユネスコの指定を受けている、伝統ある美しい町です。旧市街地は大きく迂回して流れるアーレ川の内側に位置し、様々なモチーフを題材とした11の噴水や大時計台、摩天楼のような大寺院等、まさに中世の雰囲気を残した落ち着きのある都市です。もう少し観光をしたかったのですが、スケジュールの関係で断念せざるを得ませんでした。

密度の濃い五日間の講習
ベルン大学歯学部を会場に、いよいよ講習の始まりです。朝8時から夜7時すぎまで続いた講習会はかなりしんどいものでした。初日は基礎的な話が多く、ITlインプラントの発展の経緯及び歴史について、そして組織学的にインプラントと生体がどのような結合様式になっているのか。
それから診断、治療計画等話が主なものでした。タ方になると、担当の教授から宿題が提示されます。その宿題とはある患者の診査資料が渡され、どのような治療計画がたてられるかというもので、我々はホテルに帰ってから1~2時間ほどその問題について討論することになります。午後6時からは日本の先生方が持ってこられた症例が1人20~30分ずつ、3~4人から報告され、それに対して教授からのコメントをいただいてその日の講習が終了となります。
日ごろ発表慣れしている先生方にもかかわらず、やはり世界でも著名な講師陣の前、どなたもかなり緊張したご様子だったのが印象的でした。かくして5日間にわたる講習会の幕は切って落とされた訳であります。タ食は川沿いにあるドイツ科理のレストランで取りました。この日は7時30分に講習が終了したので1時間ほど観光がてら街を散策しレストランまで歩いて行きました。スイスは午後8時過ぎまで外は明るく散策も可能なわけであります。
疲れていましたが、この店のドイツ料理はとても美味しく、ドイツビールを片手にこの講習会に参加された先生方と楽しい一時を過ごすとともに、少しずつ親交を深めることが出来ました。
感動したブーザー先生の手術
火、水、木曜日の午前にインプラントのライプオペがあり、我々は3グループに分かれて手術を見学しました。手術は3日間で8症例行われ、3名の教授が担当されました。印象的で、とても参考になったのは、やはりこの世界では定評のあるプーザー先生の手術でした。
ブーザ一先生はインプラント治療の世界においてはりーダー的存在で、常に先駆的で、その手術術式は脚光を浴び、高い評価を受けております。我々は講習会のスライドや本、そして数少ないビデオでしかプーザー先生の手術を垣間見ることは出来ませんでしたが、こうして間近に手術を見学できて非常な感動を受けました。とともに日常の治療でも参考になることがたくさんあり、この講習会の中で一番大きな収穫だったように思います。
紙面の関係でこの続きは次号に引き経ぎたいと思いますが、今回の講習会でもう一つ大きな収穫がありました。それはlTIインプラント認定医の資格を取得できたことであり、このことをまず昔さんにご報告してITIクリニックの第一報とさせていただきます。
開院10周年を迎えて
10年をふりかえって
当院は1996年6月9日でまる10年がたち、先日開院10周年記念の講演会と祝賀会を盛会のうちに終了することができました。一開業医でありながらよくそこまでやるね、というのが一般的な見方だと思いますが、やはりそこは10年間、自分のなした仕事に対する思い入れがあったわけです。
開業当初より理想の歯科治療を実践しようと努力してきたわけですが、経営の問題、スタッフの問題、患者の歯に対する認識の問題があって、なかなか理想に近づくのは簡単な道のりではありませんでした。しかし、3年ほど前より、「歯の健康を保つには」という原点にたちかえった時、理想の歯科治療が一歩一歩身近なものになってきました。理想の歯科治療を実践するためには、経営的に不利になることもあえて覚悟しながら、歯の健康を保つためには何が必要かを患者に理解してもらい、スタッフの充実と共に歯ブラシ指導に力をいれ、それを診療所の診療システムにくみ込みながら、歯の健康管理をしていくという作業に力を注ぎました。
そういう努力をしているうちに多くの患者さんの理解が得られ、私が今まで蓄積してきた知識や、治療技術を発揮できる機会もふえてきました。そうするとまたそれが患者さんの歯の健康を保つのに役立っているという実感を患者さんも我々も感じるようになったわけです。
このように患者さんの歯に対する認識の高まり、スタッフの充実、そして最新最良の知識と技術を発揮する機会が増えてきたこのような折りに10周年を迎えることができたのは、非常に幸せなことだと思います。

なぜ歯を失うのか
「理想の歯科治療を目指して」というタイトルの記念講演をしましたので、私の考えている理想の歯科治療とはなにかについて述べていきたいと思います。近年、日本人の平均寿命はかなり伸びてきました。しかし歯の寿命は同様に伸びてきたでしょうか。これだけ歯科医師の数もふえ、高度な歯科医療が提供されるようになった今日ですが、残念なことに歯の寿命は伸びておりません。8020(80歳で20本の歯を残す)運動という大きなスローガンをかかげていますが、現状ではそれを達成することはほぼ不可能だと思います。
それでは何故歯の平均寿命が長くならないのでしょうか。少し角度を変えてみましょう。多くの患者さんは、虫歯や歯周病が気になると、歯科医院にてきちっと治療する人が多くなったと思います。このように歯科治療を受けている患者さんも、だんだん1本抜かれ2本抜かれで部分義歯から総義歯への道を多くの方がたどっているのではないでしょうか。では何故、歯科医院に通っているにもかかわらず歯を失ってしまうのでしょうか。こう考えてみると、今までの歯科治療に何か問題があるのではないかと、患者の皆さんも我々歯科医師もそろそろ気付いてもいいと思います。
では今までの治療の流れを考えてみましょう。図1の治療の流れのなかで何か重要なものが欠けているのに気付かれたでしょうか。今までの治療の主流は、悪いところがあったら削って詰めてハイ終わり。「また具合が悪くなったらいらして下さい」のパターンでした。これらはあくまでも対症療法ではありません。結果に対しては必ず原因があります。この原因を追求せずに、ほころびをつくろっても、やがてはまたほろこびてしまうことは誰でも理解できることです。
虫歯や歯周病の原因は歯垢(プラーク)の中にいる細菌です。ですから歯垢をいかに除去するか(プラーク・コントロール)が大切になります。つまりブラッシングや、フロッシングで歯の汚れをきれいに取りさることが重要になってきます。しかし、多くの人は毎日歯磨きをしていますが、実際に汚れを染め出してみると、磨き残しが多く、磨けていないのが現状です。ですから歯科医院でのブラッシング指導が重要になってくる訳です。
しかし今までの歯科治療では、保険医療制度の問題、スタッフの問題、歯に対する患者さんの認識の問題等あって、ほとんどブラッシング指導をやってこなかったのが現状だと思います。この結果、歯科医院に通っているにもかかわらず、だんだん歯を失ってしまうという不幸が生じたのです。こういった悪循環を断つためにも、我々歯科医と患者の皆さんが、もう一度歯の健康を守って一生快適な生活が送れるようにはどうしたらよいか、という原点に帰って考える必要があるのではないでしょうか。
さて、これからの治療については、図2で示すようにプラークコントロールを重視した治療を基本におき、徹底した治療を行うことです。歯の健康を長く保つには、二つの大切なことがあります。一つは歯の手入れを念入りにすること、もう一つは正しい設計のもとに精度の高い修復物を入れることです。この二つのことが達成されること、つまり患者さん自身、歯科医師自身がそれぞれの責務を果たして始めて歯の健康が保たれるのです。
長寿で豊かになった日本、快適で健康な生活を送るためにも、お口の健康を互いに協力しあいながら守っていきましょう。

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