ITIワールドシンポジュームに参加して
去る4月26日から28日までニューヨークにて2年に1度のインプラント国際シンポジュームに行ってきました。今回はインプラント治療の神話と現実をテーマに取り上げ議論されました。今までインプラント治療において数々の治療法や材料が話題となり臨床に取り入れられてきましたが、当時話題となり脚光を浴びた治療法などを検証してみると、様々な問題点が生じたり失敗が多かったりという結果にいたるケースも結構あります。
この様な事はままあることで、国際的な学会誌や講習会等で新しい治療法が発表されると、たちまち一過性のブームみたいに臨床家のあいだに広がります。しかし、多くは短期間の治療結果しか出ておらず、長期的に良い結果が得られるかどうか充分に検証する必要があります。インプラントメーカーの中には自社のシェーアーを拡大しようと短期の研究結果のみで、新しい治療法や製品を世に送り出すところもあります。そのへんの危険性を今回のシンポジュームでは取り上げられ、一つ一つを検証し発表していました。
その内容のいくつかを挙げると
- 抜歯してすぐにインプラントを植立するケースなどは前歯なのか奥歯なのか、骨の厚さの違いなどにより審美的障害が問題となること。
- インプラント治療をするにあたって危険因子とされている:喫煙、歯周病、骨粗少症や癌の治療薬剤、糖尿病などが、どの程度インプラント失敗の危険性があるのか。
- 審美的に修復する為にはどのような形態のインプラントが良いのか。
- インプラントを植立して即時にまたは、早期に装着できるケースはどのような場合でどの程度の成功率なのか.
- 通常の歯科治療とインプラント治療では成功率にどの程度の差が出るのか。
- CAD/CAMによるオールセラミック冠の長期成績と有用性など。
この様に膨大な過去の研究資料から個々のケースを検証し、インプラント治療で良い結果を出す為には、どのような治療方法が最適なのかを、改めて確認できた。
地味であるが非常にためになるシンポジュームでした。
会場はマンハッタンの西部に位置するところで、2年前のミューヘンに比べると昼食等は質、種類等格段に落ちるものでしたが、その分夜の懇親会などで美味しいものを戴く事もできました。
また、ホテルがタイムズスクエアーにあったので、ロックフェラーセンタービルの展望台からの眺めや、リバークルーズ、自由の女神などの観光も限られた時間のなかで楽しむ事も出来ました。
今回仕入れた情報などインプラントセミナーで地元の先生方に伝えたり、日常臨床のなかで生かしていくつもりです。 |